イグスが現状と今後に向けた取り組みを発表!
イグスは2020年5月20日、ドイツと日本でWEBによるプレスファンレスを開催し、同社の現状と今後に向けた取り組み、さらに2020年の新製品・新技術を紹介した。

同社は、昨年グループ全体の売上高が前年比2%増加した。
顧客が居ながらにして同社の製品を確認できる独自のバーチャル展示ブースをいち早く構築するなど、厳しい経済状況にも関わらず、売上高は前年比2%増の7億6,400万ユーロを達成した。
しかし、今年に入り新型コロナウイルスの感染拡大により、売上は年初から4ヶ月で前年同期比11%減少、足元では厳しいを強いられている。ただ、受注については概ね安定傾向にあり、僅か2%の減少に止まるなど、技術改善やコスト削減ソリューションに対する市場の関心は高く、同社は50年以上におよぶ研究・開発や経験を原動力に、今後もモーションプラスチックによる安全で確実な課題解決策を積極的に提供していくことを表明した。

その一例が包装機械市場の最新製造設備の課題解決。
包装機械の高速化需要が高まる中、これまでの可動ケーブルに代わる製品として顧客が注目したのがイグスのチェーンフレックス。
寿命予測計算ツールをネットで見つけ、チェーンフレックスを採用したカスタマイズ製品を開発。このフレックスチェーンに予知保全が可能なスマートプラスチックを追加することで、18ヶ月ごとの計画的なケーブル交換で予期せぬ故障を防ぎ、設備は24時間365日安全に連続運転できるようにするなど、大幅なコスト削減を達成した。

一方、同社は市場に対し、迅速かつ確実な供給体制を確立。現状で小・中規模の注文に対し2.5日後に出荷。世界14の生産拠点を構築し、現地供給による短納期を積極的に進めている。
また、プラスチック製品による環境汚染が注目される中、同社は樹脂製品を回収しリサイクルを積極的に推進。
リサイクルされたイグリデュールA200を用いてフェイスシールド用ヘッドバンドを射出成形で製造し、10万個のヘッドバンドを無償提供したほか、追加で現在フルフェイスシールド14万個を生産しており、ケルン市への社会貢献活動の一環として市内の全学生に提供するなど、樹脂製品の再製に取り組んでいる。

さらに、新型コロナウイルスにより、世界各国で展示会の中止や個別訪問が困難となるなど、全世界市場の供給バランスが崩壊する中、同社はデジタル化のメリットをフルに活用し、顧客へのデジタルサポートの一環として独自のバーチャル展示会を構築。本社内に実際に設置した広さ400㎡の展示ブースにオンラインでアクセスすることで、顧客が製品を自由に確認でき、イグス担当者による展示ブース内の案内や面談が可能な“バーチャル展示会”を展開している。
バーチャル展示会では、イグスの企業理念である「技術を上げて、コストを下げる」に基づいて開発された 100を超える革新的な新提案を展示。
プレスカンファレスでも、現地関係者による新製品のメリットや実際の活用効果をリアルタイムに解説するなど、新たなモノづくりのヒントになる様々な提案が行われた。

イグスのフランク・ブラーゼCEOは、「あらゆる観点からコストの見直しを図り、従業員への影響を最小限にとどめる一方、将来に向けた重要投資を継続していく。その一環として、ケルンの本社敷地内におけるトンネル建設や新たなビルの建設を予定している。また、デジタル化への投資も継続しており、2019年だけでも8種類の寿命予測計算ツールなどのオンラインツールをウェブサイトに追加した。お客様は38のオンラインツールを無料かつ登録不要で使用できる。これらの投資は、お客様にイグスのモーションプラスチック製品を迅速、簡単、確実に供給するために行っている。弊社は今後も長期的投資計画を貫き通していく」と述べた。


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